伝送不良

きょうも言葉が伝わらない。

舞台「リコリス・リコイル」を見てきました(ネタバレあり)。

 

 舞台「リコリス・リコイル」を観劇してきました。(↓以下ネタバレあり↓)

 とてもアニメの展開に忠実な構成で、劇を見ながらアニメのシーンを思い出しうんうん唸っていました。しっかりOPとEDもあり、千束とたきなの尻を蹴り合うシーンも見られて大興奮。本当に千束とたきなが現実に、目の前にいるのではないかと思わせるには十分でした。かといってただアニメのシナリオをなぞっただけではなく、演者のアドリブや黒子いじり、観客を巻き込んだ演出など、いかにも舞台演劇といった場面もあり、舞台作品としての良さや意味を随所に見ることができました。そのアドリブも、決してリコリコの世界観を壊すものではなく、しっかり作品に寄り添ったものであったと感じました。そもそも、リコリコという作品自体が笑いのアドリブとの親和性が高い作品であるように思います。そういった点では、元々舞台向きの作品であったのかもしれません。もちろん、その親和性に胡坐をかいているわけではなく、「原作(アニメ)を見ていた人にも納得してもらえる作品になるよう努力した」(錦木千束役 河内美里さん・談)という意識が、この作品の満足度を格段に向上させた所以なのでしょう。

 そしてその意識は、役作りにおいても力を発揮していたように思います。キャストとキャラクターのシンクロ率が、ものすごく高かったのです。

 河内美里さん(錦木千束役)が、カーテンコールでスタンディングオベーションを送る観客に「立ってもらったけど、シッダーン(Sit down)」と着席を促す様子などは、完璧に千束のそれでしたし、真島役 仲田博喜さんとのやり取りも、正にそのものでした。

 原作が絶対と主張するつもりは毛頭ありませんが、アニメを見ていた人に対し、また「この舞台でリコリコを知った人の、アニメを見るきっかけ」(錦木千束役 河内美里さん・談)として違和感なく仕上げられており、リコリコを名乗るに相応しい作品だったのではないでしょうか。

 まさか途中(アニメ基準)で終わるとは思っていませんでしたが、いやこれはぜひ最後まで演じていただかなければなりません。続編も期待しております!何卒。聞いてますか、「偉い人」!